約9年一緒に過ごした大切な猫が亡くなったあとの喪失感から立ち直ったお話
くろちゃん
ある日、野良猫のくろちゃんと出会い家族になりました。
あっとゆうまに家族みんなくろちゃんが大好きになり、この出会いは必然!と感じていました。
家族の中心的存在のくろちゃん。
癒しであり、息子の遊び仲間であり、家族を見守ってくれるお母さんの様な不思議な存在。
シングルマザーのわたしは仕事で家を空けることが多かったですが、いつも息子2人と仲良く遊んでくれ一緒の布団で寝てくれていました。
出会った頃はケガをして痩せ細って毛並みも悪かったのですが
身体に良い若干高級なキャットフードを食べてもらっていたので、黒光りするほどつやっつやのくろちゃんでした。
身体が弱かったので時々具合が悪くなり点滴をしに動物病院へ行くこともありました。
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お別れ
突然のお別れでした。
3階建てのアパートのベランダから足を滑らせて落ちてしまいました。
この言葉を書くのもいまだに胸が痛くなります。
わたしが洗濯物を干しに窓を開けた時に出てしまったようで、気づきませんでした。
その後、くろちゃんが見当たらないのでみんなで部屋を探し、ふと、もしかして!と玄関を飛び出して一階へ階段を走って下ると
ベランダのちょうど真下にくろちゃんが横たわっていました。
まだ息があったのですぐに病院へ。
到着した時には心肺停止でした。
くろちゃんを発見した時から心臓がバクバクして震えが止まらず、ずーっと自分を責め続けました。
自分のせいだってことを言葉にするのが怖くて、しばらく口に出せませんでした。
くろちゃんを家に連れて帰り、そこから家族皆で涙でお別れ。
その日のことは記憶が朦朧としていてハッキリとは覚えていません。
家に帰ってぼそっと、言えなかった言葉を息子に言いました。
「ベランダを開けた時にくろちゃんに気づかなかったからわたしのせいだ」
当時高校生の息子はすぐに
「誰のせいでもない。そんなふうに思わなくていい」と言いました。
家族みんな泣き疲れていました。
喪失感
その日からの記憶は曖昧ですが、何をしててもふとくろちゃんを思うと勝手に涙が。
仕事で忙しくしていると気が紛れました。
会社の猫好き仲間がしばらくは気を遣って聞かずにいてくれましたが、昼休憩にふとその話題になりやはり涙が出るのでちゃんと話せませんでした。
お花とお線香をくれました。
何をどうしていいか分からずに、なんとなく家族みんな元気がないけどなんとか普通っぽく過ごし1週間ほど過ぎました。
とくにわたしは重症で、自分を責める気持ちが強く苦しい時が続きました。
仕事中は大丈夫だけど、プライベートではいつも目に涙が溜まっている状態。
さすがにこのままじゃ鬱になる!と危機を感じ、やっとどうすべきか調べ始めました。
気持ちを整理するためにした事
検索するとペットロスに関して情報がたくさん。
自分の気持ちを整理することが大切だとあったので次のことをしてみました。
・アルバムを作る
・写真を飾り、簡易的な仏壇のような感じで話しかけたりできる場所を作る
・家族でくろちゃんとの楽しかった思い出を話す
・自分を責める気持ちが出てきそうになったら、「くろちゃんはそんなこと望んでないよ」と口に出して自分に言い聞かせる
簡単なことですが、これらはすごく良かったです。
スマホの中に写真はたくさんあるけど、あえてプリントしてアルバムを作ることで気持ちが整理できました。
不思議と心が落ち着いたとゆうか、一歩前に進めたような感じでオススメです。
家族でくろちゃんの話をする時はみんなで笑える幸せな話をしました。
「くろちゃんの頭突きが強すぎてメガネが吹っ飛んだよねー」
「呼んだらニャーって1回鳴いてから必ずきてくれたよね」
「目つきが悪くて顔がでかいのに声は子猫みたいに可愛かったね」
くろちゃんを思い出して、かわいそうと思ったり泣いたりするのはくろちゃんに申し訳ない。
だってくろちゃんと過ごした日々はすごく楽しくて幸せだったんだから。
感傷的にならないよう、くろちゃんとの楽しい思い出話を積極的にするようにしました。
少し元気を取り戻したわたしたち家族に、その後新しい家族が増えることになります。
くろちゃんへの思いが強い状態のまま、新しい猫ちゃんを迎えることに色々と思うところもありましたが
ご縁だったのでありがたく受け入れました。
クロちゃんを忘れたわけでは決してありませんが、新しい猫ちゃんの登場でわたしたち家族の心は確実に明かるく前向きになりました。
おわりに
「ペットロス」という言葉は聞いたことがありましたが、いざ自分の身に起こると本当に苦しくて悲しくてつらい経験でした。
はじめは悲しみにどっぷり浸っていいと思います。
ただ、その状態が長引くと本当に鬱になってしまうので自分で自分を立て直さないといけませんよね。
亡くなったペットはわたしたちが悲しんで泣き続けることを望んでいません。
楽しかった思い出、かわいくて幸せだった毎日を思い出して、泣くのではなく笑う時間を少しづつ増やしていく。
そんな感じで大丈夫と思います。
くろちゃんがいなくなって7年程経ちますが、いまだにふと寂しくなったり自分を責める気持ちは消えていません。
でもそこは自分の気持ちコントロールして、自分を責めそうになったら
「くろちゃんはそんなこと望んでないよ」
と言い聞かせ、楽しかったことを思い出しマスクの下でニッコリするようにしています。
人間よりも寿命が短いのですから、これからもペットを飼うならこの悲しみは何度も経験すると思います。
でもわたしはこれからもペットのいる人生がいいです。
いなくなった悲しみよりも一緒に過ごした幸せの方が何十倍も大きいと思うから。